おなか

はんぶん隠れて生きていたい

きせつ

昨年、母の還暦のお祝いをしたとき、久しぶりに家族みんなが揃った。

その時に、亡くなった父方の祖父が、私の名前を輪と書いてりんという名にしようとしていたことを知った。私の知らないわたしが誕生したし、輪って漢字も素敵だと気に入った。

 

そもそも私の名前は、母が付けてくれたものだ。小雪がちらつく日だったらしい。

昔は、ひらがなの名前で漢字がないことを不思議に思っていて、友達の名前の由来とか聞いてると、漢字に意味があったりして、いいなーって思ってた。自分で漢字を考えてみたりもしていたけど、今となっては我ながらひらがなの名前をとても気に入っている。ひらがなは何にでも自由に変身することができる気がする。

 

私がもし秋に生まれていたら、秋子(あきこ)になるかもしれなかったとも聞いたことがある。

それからわたしは秋になると、知らないはずの秋子さんのことを思い出してしまう。私は秋が大好きで、暑い夏が終わる頃が、一年で一番に季節の移ろいを感じられるような気がして楽しい。冬に向かっていく感じが、切なくて好きだ。切なくなる理由はわからないけれど。

 

結局私は、冬に生まれて、だけど冬子にはならなくて、ゆきが降っていたからゆきのになった。おかげで、冬が好きなだけではなくて、雪が降るとうれしいというおまけ付きのプレゼント貰ったような気がしてる。

 

春が来るの待ち遠しいから、冬が好きだし、待ち焦がれてた春が来たらうれしくて好きで、夏は暑くて嫌だけどアイスがおいしいから好きで(むりやり)、秋が過ぎたら冬が来るのが好きだから秋が好き。

 

ことしも一年、がんばるぞー!